Chloe一周年ありがとうございます!

posted by 鈴音 ◆ 2017/11/19 (00:00) [edit]

Chloe一周年ありがとうございます!シナリオ担当の鈴音です!
この一年でたくさんの方々にプレイしていただき、感想もたくさんいただきました。本当に嬉しいです…ありがとうございます…みんな大好きです…。いただいた感想を時々読み返しては、幸せな気持ちになってます!宝物です!


と、いうわけで今回もお礼の気持ちを込めまして、ちょっとした小話を書きましたー。
前回の小話がエマさん視点だったので、今回はクロエちゃん視点です。エマさんがくる日の朝、そわそわしてるクロエちゃんのお話。
それでは、続きからどうぞ!


◆追記 ---------------------------------
その他雑務担当の収納です!Chloe1周年です!
Chloeはお気に入りの作品で、かなり気合を入れて作ったので嬉しい感想を頂けて本当に光栄でした……プレイしてくださった皆様、ありがとうございました!
まだプレイしてないよーという方も是非この機会に遊んでみてくださいませ。

1year_notxt

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待ち望む時間




 ぱちり、とわたしは目を開ける。そのままごろりと寝返りを打てば、昨日寝る前に読んでいた本が頭に当たった。なかなか寝れなかったから、結構分厚い本読んだんだよね……難しかったなあ……これ。
 窓から溢れる日の光が部屋いっぱいに満ちて、眩しいくらい。今まで何度も何度も見慣れてきた光景をしばらくぼんやりと眺めてから、わたしは勢い良くベットから飛び起きた。
「朝だー! おはよー!」
 静かな塔の中、誰に言うでもない挨拶が寂しく響く。ほんとは挨拶って誰かにするためのものなんだけど、この塔にはわたししかいないから宣言みたいになっちゃう。でもね、それもあと少し。
 ぴょんと弾む足取りでベッドを飛び出して、わたしは壁に貼ってあるカレンダーへと駆け寄った。近くに置いておいた赤いペンを手にとって、昨日の日付にきゅっとバツをつける。そうしてその隣の日についた花丸を見て、わたしはにまーっと笑みを浮かべた。花丸は、三つ。明後日のわたしの誕生日まで続いてる。
「今日、やっと今日だ!」
 嬉しくて堪らなくなって、わたしは思わずぴょんぴょんと飛び跳ねて歓声を上げた。このカレンダーを壁にかけてからずっと……ううん、それよりもずっとずっと前からわたしはこの日を楽しみにしていた。一ヶ月前からなんてもう待ち遠しくてそわそわしっぱなし。夜もなかなか眠りにつけなかった。だけど、それも今日までなんだ。
 今日から、勇者の子が私のところに来てくれる。しかもお泊りして、誕生日までずっと、一緒にいてくれるんだ。本当に、夢みたい。
 お城の命令か何かでわたしを見に来てくれるおじいちゃん達は、いつも一方的にお知らせを言ってあとはだんまりだった。ヘタしたら紙だけ置いてさっさと帰っちゃう事もあるくらい。挨拶しても返してくれないし、遊びに誘っても無視されちゃう。睨まれたり、怯えた目で見られたりもした。せっかく自分で決めた名前も、誰ひとり呼んではくれなかった。わたしの存在を思えばそれは当たり前の事なんだとわかってたけど、ずっと寂しくて悲しくて堪らなかった。
 だけど、勇者の子は違うかもしれないんだ。わたしと同じくらいの年だっていうし、もしかしたらちゃんとお話してくれるかもしれない。おはようって言ったら、おはようって返してくれて、一緒に本を読んで、遊んでくれるかもしれない。わたしの名前を、呼んでくれるかもしれない。ずっと憧れてた物語の中の人達みたいに。
 勇者の子は、わたしを殺しに来るんだっていうのもちゃんとわかってる。それでも、恐怖は全然なかった。むしろ仲良くしてくれて、わたしを少しでも好きになってくれた子がわたしを殺してくれるなら、それが一番幸せなように思えた。
 だってそうしたら、その子はきっとわたしを忘れないから。覚えてて、くれるから。その方が世界ごと心中するより、ずっともっと幸福なことだ。
 勇者の子が女の子か、男の子か。そしてどんな子か。わたしは全然聞いてない。今日の楽しみのために、おじいちゃん達に絶対に言わないでって言ってきたから。
 ずっとずっと待ってた勇者の子。早く会いたい。そんな気持ちばかり募って胸がはちきれてしまいそう。
 きてくれるのは何時なんだろう。お昼ぐらいなんだろうか。そわそわしながら時計を見たわたしは、まだ早朝といえる時間だって事に気が付いて愕然とする。
「嘘……なんでこんな早く起きちゃったんだろ……」
 その分待つ時間が長くなって仕方がない。今だって時計が壊れたのかと疑うくらいに、一分一秒がやけに長いのに。
 気を紛らわそうと本棚から適当な本を引っ張り出して開いてみたけど、全然駄目だった。ちらちらと時計を気にしちゃって、何か物音がした気がして階段を何度も駆け下りて。結局、本は一ページも進んでない。本を読むのは大好きなのに、こんなの初めてだ。
「か、階段の往復って結構疲れるんだね……」
 そうして何回目かわからない階段を上りきって、ぐしゃりとわたしは床に倒れ込む。普段こんなに動かないから、体力の限界だ。冷たい床が、心地良い。
 いちいちこんな風に往復しないで、扉の前で待ってればいいのかな。でもそれだと勇者の子がびっくりしちゃうかもしれないし、あとちょっと恥ずかしい。
 ちらりとまた時計を見れば、そろそろ午前が終わりそうだ。それを確認した途端、ぶわりと不安が胸に満ちる。
「今日、勇者の子くるんだよね……?」
 もしかして、予定が変わって当日まで来ないことになった、とか。外で事故に会ってこれない、とか。ぐるぐる勇者の子がこれなくなっちゃう可能性を考えて、不安で堪らなくなる。それをなんとかしたくて、ぎゅっとわたしは祈るような気持ちで目を瞑る。
 と、その時。再び階下で何か音がしたような気がした。
「きた……?」
 また勘違いかもしれない。それでも。そろそろと疲れた体を起こして、はやる心を押さえつけながらわたしは階段を下りていった。ばくばくと、うるさいくらいに心臓の音がする。




 そうしてそっと覗いた階段の下で、わたしは一人の女の子を見つけてーーあまりの嬉しさに歓声を上げた。

 コメント:0 カテゴリ:小話・らくがき

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